「向かい風3mって、インに有利なんでしょうか。それとも不利?」
調べるほど説明がばらばらで、結局よく分からない——私もそうでした。
そこで、BOAT RACE公式が配布している競走成績から2026年6月1日〜8月21日の全24場12,897レースを取り出し、1レースずつ追い風・向かい風・横風に分類して数え直しました。
先に結論です。
1コースの1着率は、追い風54.4%・向かい風53.9%で、差はわずか0.5ポイントしかありませんでした。
いちばんインが強かったのは、実は横風の56.9%です。
その代わり、決まり手の中身ははっきり変わりました。
追い風では差しが15.0%、向かい風ではまくりが16.8%と、それぞれ増えます。
そして風向きよりずっと効いていたのが風速で、5m以上になると1コース1着率は49.3%まで落ちました。
この記事では、その集計方法まで含めて全部お見せします。
公式は「追い風ならイン、差し。向かい風ならまくりが効く」と書いている


まず、風について公式がどう説明しているかを確認します。
BOAT RACE公式のガイドには、そのままのタイトルのページがあります。
追い風の時は第1ターンマークに波がたまって水面が不安定になり、スピードをつけたターンが流れやすくなる。逆に、向かい風の時は、インの加速がつかず、まくり艇は風の抵抗を受けてサイドがかかり、スロットルレバーを握って回りやすくなる。
(出典:BOAT RACE公式 BOAT RACE GUIDE LEVEL.2 追い風ならイン、差し。向かい風ならまくりが効く、2026年9月29日取得)
整理すると、公式が言っているのは次の2つです。
-
追い風:第1ターンマークの水面が不安定になり、スピードをつけたターンが流れる → インと差しが有利
-
向かい風:インの加速がつかず、まくり艇はサイドがかかって回りやすい → まくりが効く
ここまでは理屈の説明です。
では実際のレースでは、どれくらい変わるのか。
それを数えたのがこの記事です。
追い風と向かい風は、どうやって見分けているのか


先に、私がどうやって1レースずつ分類したかを書きます。
ここを飛ばすと、この記事の数字は信用できないものになってしまうからです。
つまずくのは「東風=追い風なのか向かい風なのか」が競艇場ごとに違うところです。
公式が配布している競走成績(Kファイル)に入っているのは「風 東 3m」のような方角です。
一方、水面は場ごとに向きが違うので、同じ東風でも追い風になる場と向かい風になる場があります。
そこで、公式のデータを2つ突き合わせました。
① 公式のレース場ごとの「水面図」
各競艇場のページに載っている水面図は、どの場もスタンドが下・第1ターンマークが右・第2ターンマークが左という同じ描き方です。スタートして第1ターンマークへ向かう進行方向は、図の上では右向きになります。
② 公式のレース結果ページの「水面気象情報」
ここに出る風向きの矢印は、方角ではなく水面の向きに合わせて回転させたものです。たとえば2026年6月1日の1Rは、桐生・若松・大村の3場ともKファイル上は「東」の風でしたが、公式ページの矢印はそれぞれ別の向き(16方向のうち10番・6番・15番)を指していました。つまりこの矢印は、そのまま「進行方向に対してどちら向きの風か」を表しています。
この2つを使えば、矢印が右を向いていれば追い風、左を向いていれば向かい風と読めます。
そこで24場それぞれについて、Kファイルの方角と公式ページの矢印を実際に突き合わせ、1場あたり3方位×2レースの計144レースで回転のズレを実測しました。
結果は144レースすべてで一致し、24場とも例外なく1つの値に決まりました。
この対応表を12,897レース全部に当てはめたのが、以下の集計です。


分類は、進行方向(右)に対して±45度以内を追い風、その反対側±45度以内を向かい風、残りを横風としました。
風速0mのレースは「無風」として別に数えています。
実測①|風向きで1コースの1着率はほとんど動かなかった


まず、風向き別の集計です。
| 風向き | レース数 | 1コース1着率 | 逃げ | まくり | まくり差し | 差し |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 追い風 | 4,596R | 54.4% | 51.6% | 14.9% | 10.9% | 15.0% |
| 向かい風 | 4,416R | 53.9% | 51.6% | 16.8% | 14.0% | 10.5% |
| 横風 | 3,241R | 56.9% | 54.8% | 14.6% | 11.8% | 11.9% |
| 無風 | 644R | 55.4% | 53.4% | 15.8% | 13.5% | 11.2% |


※当編集部が、BOAT RACE公式が配布している競走成績データ(ダウンロード・他)から2026年6月1日〜8月21日の82日間・全24場12,897レースを取得し、進入コース・決まり手・風向・風速を全件集計したものです(集計:2026年9月29日)。
1コースの1着率は、追い風54.4%・向かい風53.9%。
差は0.5ポイントで、これは「有利・不利」と呼べる差ではないと私は考えています。
むしろ高かったのは横風の56.9%でした。
一方で、決まり手の中身は公式の説明どおりに動いていました。
-
差し:追い風15.0% ↔ 向かい風10.5%
-
まくり:追い風14.9% ↔ 向かい風16.8%
-
まくり差し:追い風10.9% ↔ 向かい風14.0%
まくりとまくり差しを合わせた「まくり系」で見ると、追い風25.8%に対して向かい風は30.8%です。
公式が書いている「追い風なら差し、向かい風ならまくり」は、実測でもそのまま出ました。
ただし、それは1着が誰になるかではなく、どうやって1着になるかの話でした。
ここが、私が数えて初めて腹に落ちたところです。
実測②|効いていたのは向きより「風速」だった


向きよりはっきり効いていたのが風速です。
| 風速 | レース数 | 1コース1着率 | 逃げ | まくり+まくり差し | 差し |
|---|---|---|---|---|---|
| 0m | 644R | 55.4% | 53.4% | 29.3% | 11.2% |
| 1〜2m | 5,680R | 56.8% | 54.6% | 26.1% | 12.8% |
| 3〜4m | 5,067R | 54.4% | 51.6% | 28.8% | 11.8% |
| 5m以上 | 1,506R | 49.3% | 46.8% | 30.6% | 14.3% |


1〜2mでは56.8%あった1コースの1着率が、5m以上では49.3%まで落ちます。
差は7.5ポイントで、風向きの差(0.5ポイント)とは桁が違います。
逃げの決着も54.6%から46.8%へ下がり、まくり系は26.1%から30.6%へ増えました。
強風はコースの序列そのものを崩す、というのが実測から言えることです。
向きと風速を掛け合わせると、もう少し細かく見えてきます。
| 風向き | 1〜2m | 3〜4m | 5m以上 |
|---|---|---|---|
| 追い風 | 57.2%(1,954R) | 54.3%(1,893R) | 47.0%(749R) |
| 向かい風 | 54.4%(1,915R) | 53.9%(1,905R) | 52.5%(596R) |
| 横風 | 58.8%(1,811R) | 55.3%(1,269R) | — |
興味深いのは、いちばんインが弱かったのが「追い風5m以上」の47.0%だったことです。
公式の説明でいえば「追い風はイン有利」のはずの側ですが、強さが増すと逆になります。
追い風5m以上のレースでは差しが17.5%まで増えており、これは公式が書いている「第1ターンマークに波がたまって、スピードをつけたターンが流れる」と整合します。
インが逃げ切れず、後ろから差される形です。
向かい風は逆に、強くなっても1コース1着率が52.5%で踏みとどまっていました。
→ 荒れやすい条件そのものは競艇の荒れるレースとはにまとめています。
実測③|風の効き方は競艇場でまるで違った


同じ「追い風」でも、場によって出方がまったく違いました。
追い風と向かい風で1コース1着率の差が大きかった場を、上下5場ずつ並べます。
| 競艇場 | 追い風のとき | 向かい風のとき | 差 |
|---|---|---|---|
| 平和島 | 44.8%(310R) | 28.3%(127R) | +16.5ポイント |
| 児島 | 66.7%(99R) | 51.1%(436R) | +15.6ポイント |
| 鳴門 | 61.3%(173R) | 52.6%(215R) | +8.7ポイント |
| 宮島 | 58.2%(146R) | 51.7%(286R) | +6.5ポイント |
| 常滑 | 63.2%(190R) | 57.8%(294R) | +5.4ポイント |
| 津 | 53.1%(439R) | 56.2%(130R) | −3.1ポイント |
| 芦屋 | 53.8%(238R) | 59.1%(176R) | −5.3ポイント |
| 多摩川 | 51.7%(269R) | 57.5%(80R) | −5.8ポイント |
| 唐津 | 49.3%(282R) | 61.3%(186R) | −12.0ポイント |
| 尼崎 | 48.8%(129R) | 65.3%(366R) | −16.5ポイント |
平和島は追い風のとき44.8%、向かい風のとき28.3%で、16.5ポイントも開きます。
ところが尼崎は完全に逆で、向かい風のときのほうが16.5ポイント高いという結果でした。
「追い風ならイン」を全国共通のルールとして使うと、尼崎や唐津では逆を踏むことになります。
ここでひとつ注意を書いておきます。
この差を「風のせいだ」と言い切ることは、このデータだけではできません。
場ごとに吹きやすい風向きは季節や時間帯とセットになっていて、たとえば尼崎は向かい風のレースが366に対して追い風は129しかありません。
偏った側に、たまたま堅い番組が集まっていた可能性も残ります。
書けるのは「この82日間ではこうだった」という事実までです。
→ 各場の水面の特徴は競艇場一覧と場別の記事にまとめています。
では、風は舟券にどう使えばいいのか


ここまでの実測から、私がいま持っている使い方を書きます。
① 風向きだけで1着を決めない
1コースの1着率が0.5ポイントしか動かない以上、「向かい風だからインを消す」といった使い方は根拠が薄いと考えています。
② 風向きは「2着以下の組み立て」に効く
向かい風でまくり系が増えるということは、差し狙いの舟券より、外から一気に来る形を1つ足しておくほうが噛み合います。逆に追い風では差しが増えるので、2着に内側の艇を残す形が生きます。
③ 風速5m以上は、買い方そのものを考え直す
1コース1着率が49.3%まで落ちる条件です。点数を増やして広く取るか、そのレースは見送るか。買わないという選択肢を持てるのが、風を見ることのいちばんの価値だと私は思っています。
④ 場ごとの癖は、場ごとに確かめる
全国平均の傾向と、その場の傾向は一致しません。
競艇の払戻率は75%(控除率25%)と決まっています。つまり長い目で見れば、投票総額の4分の1は主催者側に引かれます。買い方を工夫しても、この構造そのものは変えられません。舟券は生活費ではなく、必ず余剰資金の範囲で楽しんでください。
数字で確かめると、通説の輪郭がはっきりする


今回いちばん面白かったのは、公式の説明が半分当たって半分違ったことでした。
決まり手の話としては、そのまま実測に出ました。
1着率の話としては、ほとんど動きませんでした。
通説がまるごと嘘だったのではなく、当てはまる範囲が思っていたより狭かったということです。
私自身、仕組みをよく分からないまま勢いで舟券を買い、遠回りをした時期があります。だからこそ、同じ場所でつまずく人を一人でも減らしたい。その一心でこのサイトを続けています。
風のような「なんとなく分かった気になれる要素」ほど、数えてみる価値があると思っています。
ここから先は、買い方の工夫では届かない領域です。
届かせるとしたら、「どのレースを買わないか」を選べる側になるしかありません。
その材料をどこから取るかで迷って、無料予想やSNSの断片的な情報を鵜呑みにし、遠回りをしてしまう人が多いのも事実です。
当サイトでは、主要な競艇予想サイトに実際に登録し、運営者情報・料金・無料予想・的中実績を同じ基準で検証しています。
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舟券は20歳になってから、必ず余剰資金の範囲で楽しんでください。
- 公営競技ギャンブル依存症カウンセリングセンター:0120-321-153(予約受付 平日9:00〜17:00、土日祝・年末年始を除く)
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よくある質問
Q. 競艇で向かい風だと有利なのはどのコースですか?
当編集部が12,897レースを集計したところ、向かい風のときの1コース1着率は53.9%で、追い風の54.4%とほとんど変わりませんでした。一方で決まり手は変わり、向かい風ではまくりが16.8%、まくり差しが14.0%と、追い風のときより多くなります。「外のコースが1着になりやすい」というより「外から攻める決まり方が増える」と考えるほうが実測に合います。
Q. ボートレースで向かい風4メートルは有利ですか?
向かい風3〜4mのレースでは1コース1着率が53.9%で、全体平均(56.9%の横風を含む全体で約54.9%)と大きくは変わりませんでした。ただし風速が5m以上になると、向きにかかわらず1コース1着率は49.3%まで下がります。有利不利より、まず「風速が強いかどうか」を見るほうが実測には合っています。
Q. 追い風と向かい風の違いは何ですか?
スタートして第1ターンマークへ向かう進行方向に対して、後ろから吹くのが追い風、正面から吹くのが向かい風です。公式は、追い風では第1ターンマークの水面が不安定になってターンが流れやすく、向かい風ではインの加速がつかずまくり艇がサイドをかけやすい、と説明しています。
Q. 競艇の風はどこで確認できますか?
BOAT RACE公式の各レースの直前情報・結果ページにある「水面気象情報」で、風速と風向きの矢印が確認できます。この矢印は方角ではなく水面の向きに合わせて描かれているため、右向きなら追い風、左向きなら向かい風として読めます。
Q. 風が強い日は買わないほうがいいですか?
当編集部は「買うな」とは言いません。実測では風速5m以上で1コース1着率が49.3%まで下がり、まくり系の決まり手が増えました。堅い決着を前提にした買い方とは噛み合わなくなる条件なので、点数を広げるか、見送るかを判断する材料として使うのが現実的だと考えています。










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